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チベットの伝統医学 |
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チベット医学は、インドのアーユルヴェーダと仏教を起源としています。 紀元8世紀にチベットの王様の侍医であった古ユトック・ヨンタン・ゴンポは、アーユルヴェーダの古典をチベット語に訳し、チベット医学の古典の基を作りました。
その後12世紀になり、新ユトック・ヨンタン・ゴンポは、中国医学、ユナニ医学などの知識も加えて増補改訂し「ギュ・シ(四部医典)」という聖典を著したのです。 チベット医学では、アーユルヴェーダと同じトリ・ドーシャ理論(ルン:風=ヴァータ、ティーパ:火=ピッタ、ベーケン:水=カパ)による病理観に従い、診断と治療を行います。 治療には薬草療法を主体とし、中国医学の鍼・灸、吸角(すいだま)療法、灸頭鍼療法なども使用します。
タンカ
「ギュ・シ(四部医典)」の内容を絵解きしたものをタンカと呼びます。
全てのギュ・シの内容は、80種類のタンカとして画かれています。
診断法(脈診の風景)
他の伝統医学と同様にチベット医学でも、脈を診たり(脈診)、尿を診る(尿診)ことで体内における病態を診断し、それに適した薬草を処方します。
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薬草療法 トリ・ドーシャのバランスを保つために、薬草は非常に大きな力を発揮すると考えます。 ヒマラヤの奥地で採れた薬草ばかりでなく、珊瑚などの生薬や動物生薬などもふんだんに使い、丸剤として処方することが多くあります。 薬草 ヒマラヤの奥地では、きびしい自然環境で育つことによって、強い薬効をもつ薬草が生育しています。 Morina kokonorica Hao(モリナ・ココノリカ・ハオ)は、マツムシソウ科植物で、中国名を青海刺参と言います。 幼い時期の全草を健胃剤にします。大量に用いると催吐作用を示します。 |
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